その1…どうやってそんなに大きなものが作られたのか?
上述したように、超銀河団の大きさは、数億光年もあります。こんなに大きな構造ができることは、一般的には有り得ないと考えられています。なぜかというと、ここでは難しすぎるので書きませんが、とにかく、理論的には超銀河団をつくることはできないのです。しかし、実際の宇宙には、きちんと超銀河団は存在するのです。
その2…超銀河団の銀河団と銀河団の間には、物質が存在するか?
現在では、宇宙の物質のほとんどは、銀河団の中に存在すると考えられています。もし、超銀河団の銀河団と銀河団の間に物質が存在する証拠が見つかれば、宇宙の全質量の見積りに大きな違いができてしまいます。
我々は、上述した2つの超銀河団の謎を解明する手がかりを得るために、X線で超銀河団を観測しています。
まず、一つ目の意義として、「X線観測により物質の存在がわかる」ということがあげられます。X線は、宇宙のエネルギーの高い物質から放射されるので、X線が観測されるということは、そこに物質があるということを示しています。上述したように現在では、宇宙の物質のほとんどは銀河団の中に閉じ込められていると考えられています。 しかし、もしかしたら、銀河団の外にも物質は大量に存在するかも知れません。もしそうであるなら、宇宙の全質量が、現在考えられているよりずっと重いということになります。そして、その証拠を見つけるために、X線観測が役に立つのです。つまり、超銀河団をX線で観測して、銀河団のないところからもX線が観測されれば、銀河団の外にも物質が存在することになるのです。しかし、残念ながら、そのことが観測された事例は、現在まではほとんどありません。しかしながら、超銀河団のX線観測は、まだまだ発展途上であり、これからますます盛んに行なわれると考えられます。そうすれば、銀河団の外にも大量の物質を見つけることができるかも知れません。
また、超銀河団をX線で観測するもう一つの意義として、「同じ環境にある銀河団を観測できる」ということがあります。一つの超銀河団の中にある銀河団は、同じ環境で進化してきたと考えられます。そこで、同じ環境で進化してきたと考えられる一つの超銀河団の中の銀河団を観測し、それをまた別の同じ環境で進化してきたと考えられる他の超銀河団の中の銀河団と比較することにより、宇宙の構造の進化を知る手がかりが得られるかも知れないのです。
この観測はまだまだ行なわれたばかりですが、いつの日か、宇宙の大規模構造の進化の過程を解明するでしょう。