Uxg XGammaチームへの参加に興味を持った皆さんへ
(大学院志望者+PD志望者+来年の名大4年生)
Last update, 2026/3/7
少しでも興味が沸いた方は、遠慮なく中澤までメールください(連絡先nakazawa_at_u.phys.nagoya-u.ac.jp)。当グループには、名大出身だけでなく、他大学出身の学生も多くおります。
Uxg研究室 XGammaグループでは、観測および開発プロジェクト拡大もあり、2026年度実施の大学院入試で外部生含めて積極的に大学院生を募集します。名大では博士学生への支援も篤いですので(例えば
メイク・ニュー・スタンダード次世代研究事業
)、博士進学まで検討する学生さんも強く歓迎します。博士取得後の就職はアカデミアも民間就職もありますが、この3-4年民間就職は極めて良好で、アカデミアの道を踏み出した先輩も着実に研究を進めています。なお、修士卒業の就職状況も良好です(理学部の資料をご覧ください)。
博士はもとより修士でも、うちの卒業生は理論・論理が理解でき、結果を「まとめる力」があり、ものづくり(構造からソフトまで)を実際に手を動かして実践する点でレベルが高く、データサイエンス(特に多様な統計データ解析)ができるので、時代にマッチしています。なお、本年度は院試説明会が4月と早いので、早めにコンタクトください。
私たちは、宇宙物理、特に高エネルギー現象に興味のある人、人工衛星を使って未知の天体現象を探ってみたいひと、自然界におけるまだ未解明の粒子加速、例えば雷雲中でのMeV電子静電場加速の研究をしてみたい人などを募集しています。誰も見たことのない世界を見るための次世代観測装置のモノづくり、観測装置を展開し世界最先端のデータを得る実践、データから物理引き出すための定量的かつ統計優位性をしっかり理解した上でのデータ解析などのスキルを得て、先端の物理観測・天文学を実施しています。我々のグループの近年のモットーは「結果を出す」です。結果を出せればやり方はある程度人それぞれで良い(もちろん最低限の社会性は教育します)。よく遊びよく学び、共に研究をすすめませんか。
2024年度のXGammaグループのメンバーの様子です。(プライバシーもありわざと画像を粗くしています)
X線観測研究
では、2023年に打ち上がった革新的な精密X線分光を実現する
XRISM衛星を中心に研究を進めます
。X線分光観測を革新するビッグイベントです。XRISMは過去の衛星の30倍も優れた、まさに桁違いのX線輝線分光能力があります。すでにデータ解析が始まっていますが、蛍光輝線のドップラー測定を用いた銀河団高温ガス(宇宙のバリオンの大半が高温ガスです)の運動の測定により、乱流が想定より小さく、バルクな運動がしばしば大きく見られることがわかってきました。
特に我々は衝突銀河団研究で大きな成果を上げています。
かみのけ座銀河団のXRISM観測論文
(ApJ 2025)にも大きく貢献しており、いまpaper2を執筆中です。衝突銀河団のジオメトリがドップラー計測から詳細にわかってきており、他のデータと合わせることで、たとえばAbell 3667では 7 μG以上の磁場シートがあることを示唆する結果を発見するなど、「銀河団ガスの新しい物理」に迫る結果を出しています(
Omiya, Ichinohe, Nakazawa et al. ApJL 2026
)。
MeVガンマ線X線観測研究
では、ついに27年ぶりの
全天MeV観測衛星であるNASAのCOSI衛星が2027年の打ち上げ予定
で開発が進んでいます。「感度の谷」としてなかなか観測が進まなかったため、実は結果として「新発見の宝庫」と期待されており、MeV宇宙観測の新時代到来の機運が高まってきました。いよいよ打ち上げです!
次世代X線・MeVガンマ線観測装置開発
では特に硬X線、MeVガンマ線の観測装置開発で衛星搭載や気球実験を目指した先端装置開発を進めています。
半導体コンプトンカメラを用いた宇宙MeVガンマ線の気球観測装置の実証実験 miniSGD
を進めています。先端のCdTe両面ストリップ検出器やMPPC光センサーを用いたアクティブシールドを用いており、同時に2030年代の世界の硬X線観測衛星の将来計画の主検出器の技術実証も兼ねています。
2025年度からは新しい科研費基盤A「近未来のMeV天文学を革新する角度分解能と帯域拡大の実証研究」が始まります。コンプトンカメラの角分解能の限界を超えた観測の実現へ、新型装置の実証研究を進めます。
またこの技術を生かす先として、NASAの次期MIDEX候補の一つでマーシャル宇宙センターを中心に検討が進む
HEROIX計画
へも参画しています。
雷ガンマ線と中性子観測の研究
も推進しています。MeVガンマ線の観測装置開発と技術を共通化させつつ、2つの研究を進めています。1つめは、雷ガンマ線観測です。北陸の冬季雷という世界で最も雷ガンマ線を観測しやすいところに、名大中心で2箇所の大型検出器と4箇所の小型観測装置を展開し、京大や金沢大、阪大などと共同で50箇所を超える小型観測装置により観測網を構築しています。2024年度からは雷雲からの継続ガンマ線(ガンマ線グロー)の方位測定用の観測装置2台を刷新し、2023年度からは雷放電由来の突発ガンマ線TGFの指向性観測を観測する独自の新型観測装置も設置しました。大学院生と4年生を中心に開発研究(夏から秋)、現地での設置と観測(冬から翌春)、その後のデータ解析研究を続けています。観測装置の回路部分はMeVガンマ線観測装置のそれと共通にすることで、小型軽量高性能かつ低消費電力としており、実は衛星搭載を狙った新工夫も雷ガンマ線研究の中で試したりしています。
並行して
月面の中性子観測による水探査の「LUNAR-RABBITプロジェクト/MoMoTarO計画」
が2026年2月から始動しました
。途中セレクションがありますが、そこを突破すれば月着陸機に搭載されて測定をできます。中性子観測で水を、ガンマ線探査で月表面物質と、宇宙の果てからのガンマ線バーストの観測研究ができるようにするのが目標です。これまでの衛星搭載装置開発経験をフルに生かして、我々も中性子検出器の開発に参画します。