High-energy Astrophysics Group (X-ray and Gravitational Wave), U-laboratory; Division of Particle and Astrophysical Science, Graduate School of Science of Nagoya University
U研高エネルギー天文学グループ
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名古屋大学理学部
名古屋大学
[2023/10/20更新]

名大物理Uxg 研では川村教授、中澤准教授、三石講師を中心に、宇宙の高エネルギー現象、具体的には、
宇宙のX線・MeVガンマ線観測 (中澤准教授、三石講師:リンク)
宇宙重力波 (川村教授:リンク)
の研究を進めています。研究内容の全体像はこちらを、詳細については、上記のリンクを見てみてください。なお川村教授は2023年度末で退職の予定です。


Uxg関係の衛星・ロケット計画

世界一のX線分光能力をもつXRISM衛星は順調に立ち上げ作業が進んでおり、まもなく最初の観測が予定されています!! X線精密分光衛星XRISMの観測が始まると、かつてない高精度のX線分光データがやってきます。これは宇宙の精密ドップラー測定による高温ガスの運動を紐解き、衝突銀河団や多数の超新星残骸からの重ね合わせの銀河拡散放射など、多くの研究成果をもたらします。Uxg関係では、さらに、2024年には太陽フレアの観測ロケットFOXSI-4の打ち上げ、2027年にはMeV全天観測衛星COSIの打ち上げらが迫っており、太陽や深宇宙の高エネルギー現象の謎を解く、かつてない質のデータが得られます。我々は銀河団やブラックホール、恒星フレアや中性子星といった、宇宙の極限環境を代表する高エネルギー現象のX線データ解析により高エネルギー天体の最先端の研究を進めており、これらの新世代の観測によりさらなる飛躍を期待しています。

合わせて、Uxg研究室では、次世代のX線望遠鏡と熱制御素子の開発、硬X線観測衛星やMeVガンマ線観測衛星の開発で、既存データよりさらに桁違いに高い精度で高エネルギー宇宙を観測する、次世代装置開発を推進しています。並行して、大気中でおきる地上最強の高エネルギー現象で新発見の相次ぐ雷MeVガンマ線の観測研究を進めています。また、重力波検出の新機軸の開発研究も進めており、高エネルギーな天体現象を探り未来の宇宙物理学を切り開く装置開発に取り組んでいます。

[名大理学部物理学科の2024年度4年生および2025年度大学院希望者へ]
Uxgメンバーには名大出身に加え、関東や関西の大学出身者が在籍しています。高エネルギー宇宙物理学の先端研究、人工衛星やロケット、大気球の観測装置開発と観測研究などがテーマです。将来の人工衛星に搭載する先端検出器開発や、現有の高エネルギー天文データ解析の最前線で一緒に研究を進めましょう!

当研究室での研究が面白そうと感じたら、遠慮なく
X線ガンマ線関係は nakazawa_at_u.phys.nagoya-u.ac.jp と mitsuisi_at_u.phys.nagoya-u.ac.jp
へ一報ください。 また、重力波関係については kawamura_at_u.phys.nagoya-u.ac.jp

(_at_を@へ変更)へ一報ください。


NEW
◯ 2023/10/20:当研究室のD3 Wu Binさんと、D1の大宮悠希君が、2023年秋の日本物理学会・学生優秀発表賞(宇宙線・宇宙物理領域)を受賞
・Wu Bin:「Juggled interferometer for gravitational wave detection(7)」
・大宮 悠希:「XMM-Newton衛星 PN検出器のエネルギー較正法を用いたAbell 3667銀河団プラズマの特異速度マッピング」
詳細はこちらをご覧ください
◯ 2023/10/16: XRISM衛星の主検出器 Resolveがエネルギー分解能 5 eVを達成。今後 Xtend 検出器の立ち上げを経て、天体観測に進みます。
XRISMの運用チーム 5eVを達成したResolve検出器のスペクトルの例

(左) 軌道上でのエネルギー分解能確認できた日のXRISMの運用チーム記念写真 (右)。 得られた56鉄線源からのマンガンのK殻輝線。予定通りの 5 eV (FWHM) の分解能を示している。

◯ 2023/9/7:【広報】世界一の高いX線分光能力をもつXRISM衛星の打ち上げ成功。名古屋大学理学部Uxg研究室はXRISM衛星の開発に参加し、それを用いた科学研究を進めてゆきます。
◯ 2023/6/22:【研究成果】「宇宙最大規模の衝撃波で消費されるエネルギーを測定 ~最も近くの衝突が始まったばかりの銀河団~」のプレスリリース。当研究室のD1大宮君と中澤准教授を中心とするグループの成果です。 こちらをご覧ください。同時に 天文台の藏原博士らによる電波観測の結果も発表されています。 Web メディアなどでも取り挙げられました
◯ 2023/3/31:当研究室の4年生の辻健志君が2023年度の総長顕彰を受賞しました。詳細は こちらをご覧ください。
◯ 2022/10/20:当研究室のD2 Wu Binさんと、M2の川﨑祐輝君が、2022年秋の日本物理学会・学生優秀発表賞(宇宙線・宇宙物理領域)を受賞
・ウ ビン:「Juggled interferometer for gravitational wave detection (2)」
・川﨑祐輝:「スペース重力波アンテナDECIGO計画(142) :量子雑音、熱雑音、白色矮星連星 からの重力波雑音を含めた感度の最適化」
詳細はこちらをご覧ください
◯ 2022/10/21:当研究室のM2 大宮悠希君が、「第1回 XRISM Core-to-Core Science Workshop (2022.10.19-10.21)」でポスター賞(優秀賞)を受賞。XRISM衛星は2023年度の打ち上げを目指して日本を中心に米国と ESA等と共同で開発している宇宙X線観測衛星で、開発は今まさに佳境にさしかかっています。Core-to-Core Science Workshopでは、XRISMの画期的なX線分光能力をいかした観測計画の提案のための知識獲得およびサイエンスの議論が活発に行われました。大宮君は自身の衝突銀河団の論文(Omiya et al. 2022)をベースに、そのほかの衝突銀河団の観測研究を提案したポスターを発表し、29名のポスターの中から受賞しました。受賞の写真はこちら。左から2人めが大宮君です。詳細は Workshopのweb をご覧ください。
◯ 2021/10/19:当研究室の中澤准教授が参加しているアメリカのMeV観測衛星計画 COSI が最終セレクションを通過。COSIは、NASAの小型科学衛星SMEX計画の最新の仲間で、2025年の打ち上げを目指します(注:コロナで遅れ、打ち上げは2027年予定です)。Ge半導体を用いたコンプトン望遠鏡であり、我々の銀河系に広がる星々や星間空間からやってくる重元素のガンマ線輝線を最高精度で観測します。また、サブ検出器を用いた雷ガンマ線TGF観測も実施します。日本からは名古屋大学の中澤らと東京大学KavliIPMUの高橋らが参加しています。 詳細は こちらのNASAのリリース をご覧ください。
◯ 2021/10/07:第1回KMI Flash において、当研究室の学生が受賞しました!KMI Flash は、コロナの中でも他の分野と研究交流をするためのに企画したもので、「6分で自分の研究を発表し、質問に答えるFlash Talk 会」です。素粒子の理論や実験、宇宙物理の理論\\ や実験の院生、PDなど30人が発表を繰り広げました。
<Best Research Award>
・石川智浩 「重力波検出器における輻射圧雑音キャンセルの開発」
・岩口翔輝 「原始重力波観測のための変位雑音フリー中性子干渉計の開発と現状」
<Best Self Presentation Award>
・大宮悠希 「初期の衝突銀河団CIZA J1358.9 -4750における衝撃波のX 線およびSZ 信号の比較」

詳細は こちらのKMI Flash 報告のページ をご覧ください。
◯ 2021/04/23:IXPE 衛星の受動型熱制御薄膜フィルターおよびガス電子増幅フォイルの製作を完了。 当研究室の三石郁之講師、 理化学研究所開拓研究本部玉川高エネルギー宇宙物理研究室 玉川 徹主任研究員らの研究グループは、2021 年度打ち上げ予定の世界初高感度 X 線偏光観測衛星 IXPE に搭載される受動型熱制御薄膜フィルターおよびガス電子増幅フォイルの製作を完了し、各々米国アメリカ航空宇宙局 (NASA) やイタリアチームに提供しました。詳しくは、名大のプレスリリースを参照ください。
研究紹介
Uxgメンバー
宇宙は極限の実験室
 我々が宇宙に目を向ける時,見た目の静寂さとは裏腹な,その極端な姿に大変驚かされます.例えば,1億度以上の高温,光さえも逃げられない極限重力,地球の10兆倍もの強磁場など,地上では実現不可能な極限物理状態が,宇宙には満ち溢れています.人類が地上で実現できる物理状態は限られており,そこで確立された物理法則は,より極限の物理状態でも成立するのか?我々がまだ知らないだけで,興味深い貴重な物理現象がまだ沢山隠されているのではないか?宇宙とは,この問いを検証するための「極限の実験室」でもあります.
X線や重力波で宇宙を見ると
 古来より,人類は宇宙の知識を,可視光の狭い波長域での観測に頼って来ました.1960年代,ロケット,人工衛星が利用可能になってからようやく,大気の吸収を乗り越えて,X線による宇宙の観測が始まりました.可視光の1 /1000と言う短い波長,すなわち1000倍のエネルギーの光であるX線は,地上であれば,数万ボルトの電圧で電子を加速してターゲットにぶつけることで発生させます.宇宙では,一億度に達する超高温なガスの中の熱的に高エネルギー電子や,大きなプラズマ運動の中で磁場や電場で加速された電子から,X線が生じます.X線で宇宙を見ると,こうした超高温,高エネルギー現象を見出すことになるのです.近年では,ニュートリノや,重力波の直接検出など,新たな観測の窓が切り開かれました.特に重力波は宇宙の果てから届く高い透過力を持ち,将来には初源宇宙の情報をそのまま持つ「原始重力波」の検出も期待されます.可視光だけでは見えない宇宙の真の姿に,我々は迫ります.
学生諸君へ
  Uxgグループは、X線観測・装置開発および重力波検出実験も行っています。

(1)銀河団やブラックホール、恒星フレアなど、宇宙の高エネルギー天体現象をX線を用いて研究している。高温ガスの大規模な運動や重元素の誕生・拡散、衝撃波やそこでの粒子加速を研究しています。現用のX線観測衛星のデータ解析に加え、次世代のX線分光、偏光、硬X線観測などを目指した先進X線望遠鏡やそれを支える技術を中心に、衛星搭載の装置開発を推進しており、 XRISM衛星IXPE衛星からの最新データも日々得られています。また宇宙と地上から、 雷雲からのガンマ線観測により、自然界の静電場加速器の研究も進めています。X線・ガンマ線の観測研究の詳細は中澤准教授の研究ページへ。

(2)宇宙誕生直後(10^-35秒頃)に起こったと考えられているインフレーションの時代に生成された重力波を検出し、宇宙がどのように誕生したかを解明することに挑戦しています。具体的には、スペース重力波アンテナDECIGOのため、量子ロッキングなどの新しい手法を用いて不確定性原理で規定される標準量子限界を破る技術を開発します。また、地上においてインフレーションからの重力波検出を可能にするような全く新しい重力波検出方法の開発にも挑戦します。詳細は、川村教授の個人ページへ。
 
◯ 2023年度メンバー
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