X-ray, hard X-ray and MeV gamma-ray study at Uxg group Nakazawa sub-group

Uxg 研究室 XGammaチーム (中澤准教授)


Last update, 2024/4/26

    我々の研究目的:
    〜観測のフロンティアを開拓しよう、熱い宇宙を見よう、宇宙で宇宙を見よう〜

    X線、MeVガンマ線の先端の観測技術を開発し、新しい眼で宇宙を観測して、未知なる宇宙の高エネルギー現象を発見と理解することです。特に、灼熱の高温宇宙の中から、相対論的な粒子が支配する非熱的宇宙が生み出される現場を知り、これが天体進化に与えている大きな影響のメカニズムの解明を目指します。この大目的の下で、大きく分けて以下の4つの研究を進めています。

    研究項目1: 最新鋭のXRISM衛星を中心とするX線宇宙観測研究。特に宇宙で最大の自己重力系である銀河団が衝突する現場を探り、この宇宙最大のエネルギー解放現象における非熱的成分の誕生現場を解明しその影響を探ります。

    研究項目2: COSI衛星を用いたMeV天文学。2027年打ち上げ予定のMeV全天観測衛星COSIチームメンバーとして、0.2-5 MeVの宇宙観測を革新しMeV天文学の新時代を牽引します。観測が難しいために人類の目から隠されている多様なMeV天体を探り、MeV帯域でのダークマター探査も進めます。

    研究項目3: 次世代を担う、世界最高の硬X線・MeVガンマ線の観測技術を開発します。硬X線(10-100 keV X線)は熱的宇宙と非熱的宇宙のつながりを示すキーポイントであり、その感度を1桁以上改善する次世代衛星の実現を目指します。MeVでは「COSIの次」を見据えた新発想の観測装置を開発し、試作品の気球実験やビーム実験を進めます。

    研究項目4: 「地上での唯一の粒子加速現象」である雷ガンマ線の観測で世界最先端にいます。検出器は「3」の技術を応用したもので、この謎の多い粒子加速の起きている場所・条件を探っています。同様に、地球上層大気の密度計測や、月面の水探査を狙った新型のX線・MeVガンマ線検出器の開発プロジェクトにも参加しています。


    Uxg XGammaチームへの参加に興味を持った皆さんへ(大学院志望者+PD志望者+来年の名大4年生)


    NEWS:
    • 2023/10/30-11/2:金沢に今年度の観測装置を設置しました。今年はTGF検出器を2台に増やしました。現在稼働中です。(すでに11/18にイベントをとらえています)
    • 2023/10/20:当チームD1の大宮悠希君が、2023年秋の日本物理学会・学生優秀発表賞(宇宙線・宇宙物理領域)を受賞しました。「XMM-Newton衛星 PN検出器のエネルギー較正法を用いたAbell 3667銀河団プラズマの特異速度マッピング」
    • 2023/6/22:【研究成果】「宇宙最大規模の衝撃波で消費されるエネルギーを測定 --最も近くの衝突が始まったばかりの銀河団--」のプレスリリース を出しました。当研究室のD1大宮君と中澤准教授を中心とするグループの成果です。 こちらをご覧ください。同時に 天文台の藏原博士らによる電波観測の結果も発表されています。 Web メディアなどでも取り挙げられました
    • 2023/3/20-22:金沢に設置した検出器を回収しました。今シーズンは12/15, 12/23 に明るい雷ガンマ線の観測に成功しました。現在解析中です。
    • 2023/3/22-25:日本物理学会において中澤准教授が将来衛星FORCEの検討チームを代表して講演しました。
    • 2023/3/20-22:金沢に設置した検出器を回収しました。今シーズンは12/15, 12/23 に明るい雷ガンマ線の観測に成功しました。現在解析中です。
    • 2023/3/13-16:立教大で開催された日本天文学会において、当研究室のM2 大宮悠希君が衝突銀河団の発表を、大熊佳吾君がMeV気球実験の観測装置miniSGDの開発についての発表をしました。
    • 2023/3/6-8:横浜市の関東学院大学で開催された高エネルギー宇宙物理連絡会(高宇連)研究会において、高宇連中澤准教授が将来計画委員長として講演しました。
    • 2022/11/6-9:金沢に検出器を設置し、2022年度の雷ガンマ線観測を始めました。
    • 2022/10/25:初期の衝突銀河団 CIZA J1358.9-4750 の銀河団ガス(ICM)の中に立っている衝撃波のジオメトリーを明らかにした論文 "XMM-Newton view of the shock heating in an early merging cluster, CIZA J1358.9-4750" がPASJ掲載にアクセプトされました。当研究室のM2学生大宮君と中澤准教授を中心に執筆を進めてきたもので、衝突で圧縮された領域を明確に捉え、簡単な仮定の下でその3次元構造を検証したものです。
    • 2022/10/21:当研究室のM2 大宮悠希君が、「第1回 XRISM Core-to-Core Science Workshop (2022.10.19-10.21)」で29名のポスターの中からポスター賞(優秀賞)を受賞しました。 Core-to-Core Science Workshopでは、XRISMの画期的なX線分光能力をいかした観測計画の提案のための知識獲得およびサイエンスの議論が活発に行われました。大宮君は自身の衝突銀河団の論文(Omiya et al. 2022)をベースに、そのほかの衝突銀河団の観測研究を提案したポスターを発表しました。受賞の写真はこちら。左から2人めが大宮君です。詳細は Workshopのweb をご覧ください。
    • 2021/10/19:アメリカのMeV観測衛星計画 COSI が最終セレクションを通過し、2025年の打ち上げを目指した開発が始まりました。COSIは、NASAの小型科学衛星SMEX計画の最新の仲間です。Ge半導体を用いたコンプトン望遠鏡であり、我々の銀河系に広がる星々や星間空間からやってくる重元素のガンマ線輝線を最高精度で観測します。また、サブ検出器を用いた雷ガンマ線TGF観測も実施します。日本からは中澤と東京大学KavliIPMUの高橋らが参加しており、名大はサブ検出器の開発サポート、雷ガンマ線の観測研究のリードを担当し、MeV観測の解析にも参加します。 詳細は こちらのNASAのリリースをご覧ください。
    • 2021/8/16: "Multiple Gamma-Ray Glows and a Downward TGF Observed From Nearby Thunderclouds" (Hisadomi, Nakazawa, Tsuji et al. JGR Atmospheres) 論文が公開されました。

      研究室ガイダンス@2022/5/28のスライドより

      X-ray, hard X-ray and MeV gamma-ray study at Uxg group Nakazawa sub-group X-ray, astronomy and its future with the XRISM observatory
      Hard X-ray and MeV gamma-ray new detector development for FORCE, miniSGD and other future missions
      New acceleration physics with thundercloud gamma-ray observation. As the GROWTH team.

    • プロフィール


    • 略歴:1974年、横浜生まれ。東京大学物理学科を経て、大学院理学系研究科へ進学。
      2001年 博士(理学)取得。
      前々職:宇宙航空研究開発機構(JAXA)・宇宙科学研究本部 高エネルギー天文学研究系 助手
      前職:東京大学大学院理学系研究科物理学専攻 講師
      現職:名古屋大学 素粒子宇宙起源研究所(KMI)・理学研究科素粒子宇宙物理学専攻 准教授
      連絡先:nakazawa_at_u.phys.nagoya-u.ac.jp (_at_を @ に差し替えてください)

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