X-ray, hard X-ray and MeV gamma-ray study at Uxg group Nakazawa sub-group

中澤 知洋の研究ページ


Last update, 2022/11/21

NEWS:
  • 2022/11/6-9:金沢に検出器を設置し、2022年度の雷ガンマ線観測を始めました。
  • 2022/10/25:初期の衝突銀河団 CIZA J1358.9-4750 の銀河団ガス(ICM)の中に立っている衝撃波のジオメトリーを明らかにした論文 "XMM-Newton view of the shock heating in an early merging cluster, CIZA J1358.9-4750" がPASJ掲載にアクセプトされました。当研究室のM2学生大宮君と中澤准教授を中心に執筆を進めてきたもので、衝突で圧縮された領域を明確に捉え、簡単な仮定の下でその3次元構造を検証したものです。
  • 2022/10/21:当研究室のM2 大宮悠希君が、「第1回 XRISM Core-to-Core Science Workshop (2022.10.19-10.21)」で29名のポスターの中からポスター賞(優秀賞)を受賞しました。 Core-to-Core Science Workshopでは、XRISMの画期的なX線分光能力をいかした観測計画の提案のための知識獲得およびサイエンスの議論が活発に行われました。大宮君は自身の衝突銀河団の論文(Omiya et al. 2022)をベースに、そのほかの衝突銀河団の観測研究を提案したポスターを発表しました。受賞の写真はこちら。左から2人めが大宮君です。詳細は Workshopのweb をご覧ください。
  • 2022/2/24:金沢市の雷ガンマ線観測で12/30のイベントに加え、2/16と2/17にも明るいGamma-ray glow が観測されました。昨年度2021/1/9の明るいイベントと合わせ、詳細なデータ解析中です。
  • 2021/10/25:金沢に検出器を設置し、2021年度の雷ガンマ線観測を始めました。
  • 2021/10/19:アメリカのMeV観測衛星計画 COSI が最終セレクションを通過し、2025年の打ち上げを目指した開発が始まりました。COSIは、NASAの小型科学衛星SMEX計画の最新の仲間です。Ge半導体を用いたコンプトン望遠鏡であり、我々の銀河系に広がる星々や星間空間からやってくる重元素のガンマ線輝線を最高精度で観測します。また、サブ検出器を用いた雷ガンマ線TGF観測も実施します。日本からは中澤と東京大学KavliIPMUの高橋らが参加しており、名大はサブ検出器の開発サポート、雷ガンマ線の観測研究のリードを担当し、MeV観測の解析にも参加します。 詳細は こちらのNASAのリリースをご覧ください。
  • 2021/8/16: "Multiple Gamma-Ray Glows and a Downward TGF Observed From Nearby Thunderclouds" (Hisadomi, Nakazawa, Tsuji et al. JGR Atmospheres) 論文が公開されました。


  • 大学院を志すみなさんへ+PDを検討している皆さんへ

  • 私たちは、宇宙物理、特に高エネルギー現象に興味のある人、人工衛星を使って未知の天体現象を探ってみたいひと、自然界におけるまだ未解明の粒子加速、例えば雷雲中でのMeV電子静電場加速の研究をしてみたい人などを募集しています。


    装置開発 (B)では特に硬X線、MeVガンマ線の観測装置開発で衛星搭載や気球実験を目指した先端装置開発を進めています。miniSGDと名付けた半導体コンプトンカメラを用いた宇宙MeVガンマ線の気球観測実験を立ち上げ、MeVガンマ線の次世代探査の技術開発を進めてきました。検出器としてはCdTe両面ストリップ検出器やMPPC光センサーを用いたアクティブシールドなど、2030年代の世界の硬X線観測を担うと期待されている高感度衛星FORCEでの採用を目指した技術を用いており、その実証を重視しています。衛星開発の後半は、「設計通りの物を正しく作る」ことに集中するため、新規開発は今こそ実施する必要があります。ここで新機軸を開発し、それが高性能であることを実証することで、将来衛星の装置設計に反映することを目指しています。MeVガンマ線観測の世界ではCOSI衛星の2025年以降での打ち上げも決まり、MeV宇宙観測の機運が高まってきました。アメリカのUC バークレー校を中心として開発が進められていますが、我々も開発メンバーとして参加しています。

    観測研究 (A)では、2023年度に打ち上げ予定で、革新的な精密X線分光を実現するXRISM衛星の打ち上げがビッグイベントです。これに備えて我々は衝突銀河団の動的な姿の研究を進めています(大宮et al. 2022 in press)。XRISM衛星は過去の衛星の30倍も優れた、まさに桁違いのX線輝線分光能力を有しており、希少な重元素の精密測定などに加えて、輝線のドップラー測定を用いた宇宙の高温ガス(宇宙のバリオンの大半が高温ガスです)のバルクな運動の測定により「静止画を動画にする」力があります。さらに輝線の広がりを用いて世界で初めて直接的な乱流の測定が実現します。宇宙における粒子加速の大きな部分を占めると考えられている乱流加速など、これまで複数の理論はあるもののその検証が不足して決着のつかなかった問題の理解が、大きく前進することは間違いありません。

    雷ガンマ線観測研究 (C)では北陸の冬季雷という世界で最も雷ガンマ線を観測しやすいところに、名大中心で2箇所の大型検出器と4箇所の小型観測装置を展開し、阪大や理研などと共同で40箇所を超える小型観測装置により観測網を構築しています。2019年度から金沢に展開している雷雲からの継続ガンマ線(ガンマ線グロー)の方位測定用の観測投資2台に加えて、2022年度には雷放電由来の突発ガンマを観測する新型の観測装置の試作機の展開を目指して、大学院生を中心に開発研究、そして春までの観測、そのごのデータ解析研究を続けています。観測装置のベースとなるシステムは、宇宙硬X線・MeVガンマ線観測装置のそれと共通にすることで、小型軽量高性能でかつ低消費電力としており、さらに装置の改良を通じて、衛星搭載機器への技術のフィードバックも目指しています。

    詳細は本ページの下の方を参照ください。
    少しでも興味が沸いた方は、遠慮なく中澤までメールください(連絡先nakazawa_at_u.phys.nagoya-u.ac.jp)。当グループでは名大だけでなく、関東や関西など大学出身の学生も広く募集しています。。

    研究室ガイダンス(2021/5/29)のスライドより

    X-ray, hard X-ray and MeV gamma-ray study at Uxg group Nakazawa sub-group X-ray, astronomy and its future with the XRISM observatory
    Hard X-ray and MeV gamma-ray new detector development for FORCE, miniSGD and other future missions
    New acceleration physics with thundercloud gamma-ray observation. As the GROWTH team.

  • 研究の狙い

  • いま、宇宙に対する人類の理解は、急速に進んでいます。例えば、この宇宙はまだまだ若く進化の途中であることがわかってきました。世界が豊かで、我々が生命を育めたのも、まだ若い宇宙にいるからなのです。宇宙には世界観を変えるような、人類の想像を超えた現象がしばしばみられ、今も新発見が続いています。この中で我々は「硬X線・MeVガンマ線」という高エネルギー光子の宇宙観測を軸に、こうした謎に迫ろうとしています。特に100 keV前後の硬X線やMeVガンマ線は人類の観測の到達感度がまだまだ未熟で、未発見の物理現象が多く隠されています。最近になって宇宙ガンマ線観測衛星での検出をきっかけに、我々の身近の雷雲にすら不思議なMeV粒子の加速機構が発見されました。この加速の原理がわかれば、宇宙の他の領域でも同様の加速が起きている可能性を議論できるかもしれません。本グループでは、このように「高エネルギー×宇宙」をキーワードに研究を進めています。

    宇宙には高温・高エネルギーの天体が沢山おり、宇宙の今の姿に大きな影響を与えています。 銀河の中心にあってX線で明るく輝く巨大ブラックホールは、銀河の進化を制御していると考えられており、 宇宙最大の天体である銀河団はダークマターと1億度の高温プラズマの塊です。 このプラズマは銀河の質量の10倍近くありバリオンの主成分で、X線で明るく輝いています。 超新星の残骸もまた爆発の運動エネルギーを衝撃波によって急速に熱に変え、数千万度の高温となってX線で輝きます。

    宇宙ではしばしば粒子加速が起き、相対論的なエネルギーを持つ粒子が大量に存在します。これを「非熱的宇宙」と言います。 例えば我々の銀河の中で宇宙線がもつエネルギー密度は、星間ガスのそれよりを上回っており、 分子雲ガスの成長や星生成に大きく関わっているとされるなど、宇宙の今に大きな影響を与えています。 こうした相対論的粒子は、GeV・TeVガンマ線や電波観測から研究されていますが、上記の高温のプラズマの中で生まれるとされているにもかかわらず、 まさに粒子が加速しはじめるところ、すなわち熱的宇宙から非熱的宇宙が生まれるその場所やその仕組みは、いまだにわかっていません。 当グループではこうした謎を解決するための観測研究、さらには将来その突破口を開くための衛星搭載の先端観測装置の開発に取り組んでいます。

    詳細は本ページの下方に記述と各研究ページへのリンクがあります。


  • プロフィール


  • 略歴:1974年、横浜生まれ。東京大学物理学科を経て、大学院理学系研究科へ進学。
    2001年 博士(理学)取得。
    前々職:宇宙航空研究開発機構(JAXA)・宇宙科学研究本部 高エネルギー天文学研究系 助手
    前職:東京大学大学院理学系研究科物理学専攻 講師
    現職:名古屋大学 素粒子宇宙起源研究所(KMI)・理学研究科素粒子宇宙物理学専攻 准教授
    連絡先:nakazawa_at_u.phys.nagoya-u.ac.jp (_at_を @ に差し替えてください)

    プロフィール詳細
  • 研究の詳細

  • 以下に、大きく3分野に分けて、我々の研究の紹介をまとめました。