名古屋大学U研X線グループ
名古屋大学大学院理学研究科 素粒子宇宙物理学専攻 宇宙物理学研究室
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X線CCDカメラ
 ビデオカメラに代表されるCCDカメラは、 地上の望遠鏡をはじめ、ハッブル宇宙望遠鏡や、X線観測衛星チャンドラ、 ニュートンXMMなど、天体の観測にもたくさん用いられています。
図1は当研究室で用いている浜松ホトニクス製のCCDカメラのヘッド部分の写真で、 中央にあるのがCCDです。
図1. CCDカメラヘッド
図1

 ギガピクセル(100万画素)と宣伝のうたい文句にあるように、 よりきめ細かな画像を得るには、たくさんの受光素子を並べてやる 必要があります。 しかし、その縦横1000個も並んだ受光素子一つ一つから、 そこの信号を読み出すためのリード線を繋ぐのは不可能です。 そこで考え出されたのが、CCD(Charge Coupled Device;電荷結合素子)です。 図2または3にあるように素子の上を、 バケツリレーの用に電荷を運んで行くことにより、 順番に各ピクセルの電荷を読み出すことができます。
 天体からやってくる光は非常に弱いので、 普通のビデオカメラでは、その光を捕らえることは困難です。 そのため、天体の観測で用いるCCDカメラは、 フルフレームトランスファー(FFT)型CCD(図2)と呼ばれる、 一般に使われているビデオカメラの インタートランスファー(IT)型CCD(図3)と異なったものを用いています。
 図2と3を比べて分かるように、FFT型CCDは、受光部を電荷転送にも使うことで、 検出できる面の割合(開口率)をほぼ100%にして、 微弱な光を効率良く捕らえることができるようになっています。 しかし、FFT型は、受光部を転送部と兼用したために、 転送中は別に用意したシャッターなどで、光を遮る必要があります。
 また、天体の観測用のCCDカメラは、 捕らえた光の弱い信号が雑音に埋もれて分からなくなるのを防ぐため、 CCD自体を冷却し、その雑音を下げています。

図2. フルフレームトランスファー(FFT)型CCD
図2
図3. インターライントランスファー(IT)型CCD
図3

 次に、CCDで光とX線を測る時の違いについて説明します。
光の測定では、光の粒子が何個飛んできたか(明るさ)は測定できますが、 CCDに飛び込んできた光の色、つまりエネルギー(波長)を測ることはできません。 そのため、何もしないと、白黒の映像になってしまうわけです。  では、私たちの使っているビデオカメラは、どうしてちゃんと 色が付いているのでしょうか?
まず、図4を見てください。3色全ての色を混ぜ合わせると白、 赤と緑を混ぜると黄、緑と青を混ぜるとシアンというように、 赤と緑と青の3色で全ての色を表現することができます。 これを光の三原色と言います。

図4. 光の三原色
図4

ほとんどのビデオカメラでは、 図5のように、CCDの各ピクセル(画素)の前に、 3色のフィルタを交互に並べています。 このようにCCDの前にフィルタを置き、特定の波長の光しか 通過させないようにして測定を行ことによって、 3色それぞれの明るさを別々に測ることができます。 先程は、白色は3色を均等に混ぜることにより作れると言いました。 今度は逆に、3色に分解してそれぞれの明るさを測定すれば、 色が分かると言うわけです。

図5. ビデオカメラのフィルタの配置
図5

さて、X線を測定する場合は、光の時と異なり、直接、色(エネルギー)を 知ることができます。 X線は光に比べてエネルギーが10倍から100倍大きく、 CCD受光部のシリコン原子に直接作用し、その電子を剥ぎ取ることができます。 この時の電子は、飛び込んだX線のエネルギーに比例した数だけ作られます。 この電子を数えてやれば、X線のエネルギーが分かるわけです。
ただし、1ピクセル内に光の粒子が2個以上入ると、 それぞれのエネルギーは分からなくなってしまうので、 そうならないよう露光時間を適当に調節する必要があります。

 
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